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「投票」が最強の家計防衛術である理由(2)

前回は、選挙で「庶民の生活を守るためにお金を使う政党」に投票して政権を変えることは、簡単で効果が高い家計防衛術であるということ、そしてなぜ政権を変えることが生活防衛術になるのか?について書いた。 

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今回は、現在生活が苦しいと感じている人が「庶民の生活を守るためにお金を使う政党」に投票すれば、本当に政権を変えることができるのか?について書きたい。

 

節約意識の高い人が投票した場合の影響

検証のために、まずは最近の国政選挙で投票しなかった人のうち、節約意識が高い人がみんな投票した場合の影響を推定してみる。

 

投票しなかった人の数

「令和元年7月21日執行 参議院議員通常選挙 発表資料」によると、2019年7月21日の有権者数は「1億588万6,063人」。(①)

この選挙で投票した人の数は「5,167万1,922人」。(②)

つまり投票しなかった人の数は ①-②で「5,421万4,141人」となる。(③)

令和元年7月21日執行 参議院議員通常選挙 発表資料

 

「節約意識が高い未投票者」の数

日本に生活防衛術としての節約に取り組んでいる人がどの程度いるか?参考になりそうな節約意識についての調査結果をいくつか見る限りでは6割から9割と、かなりの幅がある。

ただし、こうした調査では回答者がポイント等の謝礼を目的にモニター登録をしているケースも多く、節約意識が高めに出る傾向がある。

そこで今回は、厚生労働省が行っている「2019年 国民生活基礎調査」に掲載されている、平均所得金額552万3,000円以下の世帯数の割合「61.1%」を「節約意識が高い人」とする。(④) 

2019年 国民生活基礎調査の概況

 

そして、③の投票しなかった人に④の割合をかけると「3,312万4,840人」となる。これはどの程度の数字なのか?わかりやすくするために、前掲の昨年の参院選の資料から与党(自民+公明)+維新と、野党(立憲+国民+共産+社民+れいわ)の得票数を拾って比べてみる。 

  比例代表 選挙区
与党(自民+公明)+維新 29,156,554 27,608,220
野党(立憲+国民+共産+社民+れいわ) 19,208,475 15,325,315

なんと、「節約意識が高い未投票者」の数は、昨年の参院選の与党の得票数よりさらに数百万人多い。さらにわかりやすくするためにグラフにしてみる。

 

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こうして見ると「3,312万4,840人」は非常に多い数であることがわかる。

ちなみに、もともと投票していた前述の②を足すと「8,479万6,762人」となり、投票率は「80.1%」にもなる。2009年に民主党が浮動票を取り込んで圧勝し、政権交代を成し遂げた際の投票率が約69.3%だったことを考えると、圧勝という表現では足りないくらいだろう。多くの節約意識の高い人たちがその気になれば、簡単に政権を変え、税金の使い道を変えさせることができるということだ。

 

投票が最強の家計防衛術である理由

最後に、蛇足ながら投票が最強の家計防衛術である理由を書く。

理由1

とにかく楽。節約のように日々我慢したり努力し続けなくても、普段と同じように生活し、たまにしかない選挙で近所の投票所に行って投票するだけなので、誰でも簡単にできる。面倒な手続きも要らないし、難しい知識も要らない。

理由2

リスクがない。エアコンを我慢して熱中症になるリスクもないし、育ち盛りの子どもの食費を切り詰めて栄養不良になるリスクもない。投資と異なり元本割れして損をしてしまうリスクもない。

理由3

自分の暮らしだけでなく世の中も良くなる。生活が苦しいと感じる人が減り、これまで切り詰めていた家計にゆとりが出てくれば、これまでできなかった様々なことができるようになる。例えば、外食が増えたり、旅行に行ったり、車を購入したり、結婚をしたり、子どもを作ったり。。

 

こんなすばらしい家計防衛術だが、その実現に欠かせない条件が二つある。一つは、多くの「節約意識が高い人」たちに、みんながその気になれば政権を変えることは簡単にできると知ってもらうこと。もう一つは、「節約意識が高い人」たちが、暮らしを良くしたいという望みを失っていないことだ。

日本人は諦めがよすぎると常日頃から感じているが、これだけは絶対に諦めないでほしい。自分たちは主権者であり、世の中は変えられるのだから。